健康に良い上に美味しいという理由で注目されている発酵食品。
その発酵食品を語る上で欠かせないのが「麹(こうじ)」です。
「麹」が体に良いってよく聞くけど、実態がよく分からない・・・?
そんな疑問を持つあなたのために、発酵食品にハマっている私が麹の効果を分かりやすく解説します。
この記事を読んでもらえば、麹に美肌効果がある理由などが理解できるので、参考にしてみてください。
そもそも麹って何?
麹(こうじ)とは、米や麦などに、「コウジカビ」を繁殖させたもののことです。
「コウジカビ」という名前からも分かると思いますが、麹というのはカビ菌の一種。
超アバウトに言うと、アンパンマンに登場するカビルンルンの仲間みたいなものです(笑)。
ただ、「カビ」といってもバイキンマンとつるんで悪さをする訳ではなく、食品の栄養価を高めたり、食材の旨みや甘みを引き出したり、保存力を上げてくれたりする善玉のカビ。
麹は人間にとって、とても有益な存在だと言えます。
その証拠に、日本人は麹とずっと昔からを上手に利用していて、麹を使った酒造りが習慣的に行われるようになったのは奈良時代からとされています。
※麹(であろうモノ)を使った酒造りに関する記述が古事記に記されています。
微生物の研究が進んだのはここ100年ちょっとの話ですが、そんなずっとずっと太古の昔から、日本人は上手に麹と付き合ってた訳です。
なかなか食のセンスありますよね。
コウジカビは自然界に広く存在する菌で、タンパク質やデンプンを分解、発酵させる働きがあり、この分解の過程で、栄養価が高まったり、食材の旨味が引き出されたり、保存性が高まったりします。
「発酵って言ってもただ腐ってるだけじゃないの?」と思ったあなた。
その考えは正解です。
発酵と腐敗は紙一重。
その違いは、人間にとって有益か(美味しいか)どうかなんですよね。
不味くなって食べれなくなったらそれは腐ってるだけですけど、美味しくなったり長期保存ができるようになれば、それは発酵です(ちょっと強引かもしれませんが、だいたいこんな感じ)。
麹を使った食品の代表例
栄養価が上がったり、長期保存できるようになるというのが発酵の力だと繰り返しお伝えしていますが、具体的にはどんな食品があるのでしょうか?
たぶん、具体例を思い浮かべると発酵の素晴らしさがより理解できると思います。
まず有名な発酵食品はチーズやヨーグルト。
納豆やキムチ、アンチョビやサラミなども発酵食品ですよね。
このように世界にはいろいろな発酵食品がありますが、麹はアジア特有の発酵技術。
中でも、麹の中で一般的によく使われる「米麹」は日本ならではの麹なのです。
味噌、食酢、醤油などの調味料をはじめ、塩麹などを作る場合にも米麹が使われます。
いづれも食材を引き立てるとっても美味しい調味料。
麹には食材を美味しく変化させる不思議な力があるんですね。
また、日本酒や泡盛、焼酎、甘酒などの日本の伝統の飲み物にも米麹が使われています。
最近ブームの、飲む点滴とも呼ばれ夏バテを防いでくれる「甘酒」も麹からできています。
ちゃんと米麹だけからできた甘酒を飲んだことはありますか?
砂糖が使われていないとは思えないほどの甘味があるんですよ!
関連記事→スーパーで買える人気の甘酒(米麹)を飲み比べた結果をランキングで発表!
麹はどうやって食べる?
麹は食べ物を美味しく変化させてくれる「微生物」のひとつなので、直接食べるものではありません。
だから普段わたしたちの目に触れることがあまりないんですね。
麹は食材に混ぜ込むことによって、栄養分を分解したり、吸収して新たな栄養分を作り出したりして、発酵食品を作り出してくれるサポート役。
なので、麹が体にいいからといって直接食べたりすることがないようにしましょうね(食べれないことはないようだけど・・・)。
お米についた…ふわふわとした…綺麗な米麹…昔の人、よくこれを食べてみましたね…。勇敢です。グッジョブです。
麹の栄養成分、効果や効能は?
麹は健康に良いって言うけど、具体的にはどんな栄養成分が含まれてるのでしょうか?
麹は酵素の宝庫で、たくさんの消化酵素を作り出してくれます。
酵素とは栄養を分解して消化吸収を助けてくれたり、栄養を分解してエネルギーに変えてくれるもの。
代表的な酵素は下記の4つ。
- アミラーゼ :デンプンをブドウ糖やオリゴ糖に変える
- プロアテーゼ :タンパク質をアミノ酸に変える
- リパーゼ :脂肪燃焼のサポートをする
- ペクチナーゼ:ペクチン質を分解
これらの酵素が一緒に摂る食品の栄養を消化吸収しやすくしてくれます。
そして麹の酵素によって生み出されるオリゴ糖や食物繊維は腸内の善玉菌にとっての栄養源。
栄養分として善玉菌が繁殖していくので、それにより腸内環境が改善されて便秘が解消されます。
さらに免疫力も上がることで、乾燥肌やニキビなどの肌荒れが改善がされるという訳です。
麹がお肌にいい理由
コウジ酸がメラニンを抑制
麹には美白効果があります。
実際に麹をつかって日本酒を醸造する杜氏の手が白くてきめ細やかで綺麗だというのは有名な話。
この事実に着目して研究も進んでいます。
ではなぜ、麹を扱う人の手がきれいなのか?
これにはコウジカビ(麹菌)の発酵過程で生成される「コウジ酸」が関係しています。
コウジ酸はシミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑制することがわかっており、その美白効果から、現在では化粧品などにも配合されています。
「杜氏美人石鹸」なんて商品名の石鹸もあるくらいです。
米麹で自作した化粧水を使う人もいます。
そういえばわたしも10年くらい前に日本酒が肌に良い!ということをテレビだか雑誌で聞きつけて、日本酒をお取り寄せして拭き取り用化粧水にしたり、お風呂に入浴剤代わりに入たこともあります。
今だったら、日本酒があったらそんなことする前に飲んじゃいますけどね。
たしかにすごくツルツルしました。
かの有名なSK-II も杜氏の手の美しさに感化され、酵母や発酵の研究を進めて商品を作っているそうです!
まず麹に美肌効果がある理由として、コウジ酸にメラニンの抑制を抑える効果があるということを覚えておいてください。
ビタミンB群や葉酸などを生成
コウジカビが繁殖する時に、B1、B2、B6などのビタミンB類を生み出してくれます。
ビタミンB群や葉酸は、健康な皮膚や髪の毛を作るためには必要不可欠な栄養素。
- ビタミンB1:疲労回復、神経機能を正常に保つ効果
- ビタミンB2:細胞の再生を助け、粘膜の健康を保つ。眼、皮膚、爪の働きを正常にする効果
- ビタミンB6:免疫力を高め、健康な皮膚や髪、歯をつくり成長を促進する効果
- 葉酸:アミノ酸を合成。皮膚の粘膜の強化などの効果
発酵食品にはこれらが豊富に含まれているので、お肌にもいいという訳です。
さらに天然のビタミンなのでサプリメントなどと比べても吸収効率がいいんですよね。
ビタミンB2とビタミンB6は一緒に摂ると肌の再生力が アップして美肌効果も高まるとされているので、組み合わせ的にも最適。
さらに、ニキビや口内炎はビタミンB2不足が原因で起こることもあるので、肌の状態を改善したい場合には意識して取り入れたい栄養素です。
また、先ほど腸内環境を整えてくれると言いましたが、便秘はお肌の大敵ってことはみなさんご存知ですよね?
麹を積極的に摂る食生活で便秘が解消した!なんて話はよく聞きます。
わたしもちゃんと米麹から作られた手作り味噌のお味噌汁をよく食べるようにしていたら、お通じが良くなってニキビ…吹き出物もできにくくなりました!
味噌でも醤油でもみりんでも甘酒でも日本酒でも、日本ならではの伝統の発酵食品はいいことだらけ!ということが分かってもらえたでしょうか?
麹を使った発酵食品をうまく食生活に取り入れて、健康な体と綺麗なお肌を作り上げていきましょう!