「カナガンは尿路結石の猫に与えても大丈夫?」
「カナガンにはストルバイト結石を予防する効果があるの?」
尿路結石の予防については、「尿路ケア」「ストルトバイトケア」「PHコントロール」などの記載があるキャットフードがよくありますよね?
ところがカナガンは「尿路結石に対応しているよ!」という表記が特にないので、尿路結石を予防したい猫ちゃんに与えてもいいか迷ってしまうと思います。
結論から言うと、カナガンは尿路結石(ストルバイト結石)にならないように配慮して作られているキャットーフードです。
マグネシウム量は0.09%に抑えられていて、尿を酸性に傾けるために原材料にクランベリーも使われています。
なので、カナガンは尿路結石の対策がされたキャットフードを選びたいという人にはおすすめです。
猫の尿路結石の種類
猫の尿路結石には
- ストルバイト結石
- シュウ酸カルシュウム結石
の2種類があります。
尿路結石の種類 | 尿のPH | 食事療法 | 対応 |
---|---|---|---|
ストルバイト結石 | 高い(アルカリ性) | 可能 | 療法食に切り替える |
シュウ酸カルシウム結石 | 低い(酸性) | 不可 | 手術 |
ストルバイト結石は尿がアルカリ性に傾くことで起こり、シュウ酸カルシュウム結石は尿が酸性に傾くことで起こります。
この2つの結石の中でも猫に起こりやすいのがストルバイト結石。
ストルバイト結石はキャットフードなどの食事に原因があり、カルシウムやマグネシウム、リンといったミネラルを取りすぎることで発症するといわれています。
では、カナガンはストルバイト結石に対して、どういった予防対策がされているのでしょうか?
カナガンの尿路結石の対策
先程、「ストルバイト結石はマグネシウム、カルシウム、リンといったミネラルの過剰摂取で引き起こされる」と解説しました。
ただ、これらはゼロなら良いというものではなく、摂り過ぎはダメだけど、摂らなすぎもダメなんです。
マグネシウムは血液や体温の調整、血液の粘度の調整、筋肉を動かす、脂質・タンパク質の分解などの働きをする重要なミネラル。
最近はマグネシウム量が少ないことを尿路結石予防として売りにしているフードも多いですが、マグネシウムの極端な不足が尿路結石を引き起こすこともあるそうです。
つまり、大切なのはバランスです。
尿路結石の療法食ではマグネシウムの量を抑えて結石を溶かすため、悪者のように誤解されがちですが、そうではありません。
獣医さんは尿路結石が治ったあとは必ずその通常(マグネシウムが最低0.08%)のエサに変えるように指導します。
『マグネシウム量を抑えた療法食を食べ続ける=完治後の予防』ではないのです。
では、カナガンに含まれるミネラルの量はどれくらいなのでしょうか?
他のキャットフードのミネラル値と比較してみましょう。
カナガン | ロイヤルカナン | ピュリナワン | ニュートロ | |
---|---|---|---|---|
マグネシウム | 0.09% | 0.08% | 0.09% | 0.8%以上 |
カルシウム | 1.58% | 1.1% | 1.3% | 0.9%以上 |
リン | 1.4% | 0.84% | 1.1% | 0.15%以下 |
※ロイカナ(インドア)、ピュリナ(美味成猫)、ニュートロ(アダルトチキン)のミネラル値で比較。
キャットフードのミネラル量の上限に関しては明確な基準が設けられていないのですが、他のキャットフードと比較しても大きく変わりませんよね?
こんな感じで、カナガンはしっかりとミネラルのバランスが取れているので心配しなくても大丈夫です。
尿を酸性にする効果のあるクランベリーを使用
ストルバイト結石の原因のひとつが尿がアルカリ性に傾くこと。
その対策としてカナガンには尿を酸性にしてくれるクランベリーが使われています。
クランベリーに期待できる働きは尿の酸性化。
アルカリ性化することを防ぎ、「ストルバイト結石」を予防する効果が期待できるというわけです。
また、クランベリーは膀胱炎や尿道炎など、泌尿器系の疾患を予防するとも言われています。
動物性タンパク質はアルカリ性に傾きにくい
実は、穀物などの植物性たんぱく質はアルカリ性に傾きやすい性質があります。
逆に、チキンなどの動物性は酸性に傾きがち。
カナガンはグレインフリーでチキンを主原料としているので、植物性タンパク質より動物性のタンパク質が豊富です。
尿がアルカリ性に傾くことで発症するストルバイト結石を防ぐためには、カナガンのように動物性のタンパク質が豊富であることがプラスになります。
フードが合っているかは尿のPHをチェックするのが一番
このように、カナガンはストルバイト結石にならないように配慮して作られていますが、それでも猫とキャットフードの相性があります。
なので、「カナガンは尿路結石の予防効果があるから絶対に尿路結石にならない」という訳ではありません。
では、カナガンが猫に合っているかどうかはどうやって判断すればいいのでしょうか?
それはに、おしっこのPH値をチェックするのが一番安心です。
一般的に、尿のPHは6.0~6.5の弱酸性が適正だとされています。
なので、尿路結石が気になる場合はPH試験紙などで、おしっこのPH値を測定してあげましょう。
これをしてあげることで、より猫ちゃんに合ったキャットフードが分かるようになります。
カナガンは尿路結石に配慮した原材料で作られていますが、全ての猫ちゃんに合うという訳ではありません。
なので、フードを切り替えた後はしっかりと状態を観察してあげましょう。
まとめ
今回は「カナガンは尿路結石(ストルバイト結石)の予防に適したキャットフードなのか?」という事について解説しました。
内容をまとめると、カナガンは尿路結石に配慮して作られたキャットフードで、尿がアルカリ性に傾かないようにクランベリーを使用していたり、動物性タンパク質を多く確保することで尿の酸性化を促しています。
ただ、注意しなくてはいけないのは、カナガンは総合栄養食なので尿路結石などの病気の「予防」にはなりますが、「治療」することはできないということ。
もし、猫ちゃんが尿路結石になってしまったら、獣医さんの指示を仰いで「療法食」を与えてあげてください。
すでに尿路結石になってしまっている猫ちゃんは療法食を食べるべきなのでおすすめできませんが、尿路結石に配慮して作られたキャットフードを与えたいという場合にはカナガンはおおすすめです。